20220211 くるりの25回転@東京ガーデンシアター

くるりの25回転。ついこの間20回転(=20周年)だった気がしたけどもう25回転か...と思っていたが、それどころか25周年は去年2021年で、ライブもコロナのもろもろで延期になっての今回、というわけで正確には26年ということだった。

くるりは、大学生のころからだから、20年まではいかないけど15年は聴いている。といっても熱心なファンというわけではなく、全部のアルバムを聴いているわけではないし、最近のリリースもきちんと追えてはいない。いろんなところのフェスやイベントでライブを見て、たまにワンマンに行って、そういう、いつでも気が向いたら聴く、っていう感じでずっとゆるく付き合っている感じ。でも、たくさんのバンドが活動を止めたり、なんなら亡くなったバンドマンもいるし、そうやってずっと続いてくれていることってものすごく尊いことなんだなって改めて思った。

 

「ランチ」から始まり、「虹」と続いたところで感づいたが、周年ライブらしく、曲順は時系列で披露された。だから、「ばらの花」⇒「ワンダーフォーゲル」⇒「ワールズエンド・スーパーノヴァ」なんてコンボも決まってしまう。特にこのあたりの曲はやっぱりフェスでの思い出が強い。いつかのTaicoclubの夜、ワンダーフォーゲルが始まった瞬間、みんなが声を上げて喜び、大盛り上がりで歌いながら飛び跳ねていた歓喜の夜が思い浮かんだ。もうあれも10年くらい前かもしれない。

「ロックンロール」はライジングサンでくるりがトリだった年、肌寒い朝疲労感の中で、大きな曇り空に吸い込まれるようなすがすがしい思いで聴いた。「BIRTHDAY」は自分の結婚式で流したVTRのBGMにも使った大好きな曲。「JUBILEE」はオーチャードホールのNOW AND 弦というオーケストラ編成でのライブで大変感動した曲。「Everybody Feels The Same」の後半は、いつもまるで空を飛んでいるような気持ちになって、最後の合唱は思わず一緒に歌いたくなる高揚感。今は遠くになんてなかなかいけないけど、音楽はどこにでも連れってくれるじゃないか、なんて思ったりした。

くるり、つかず離れず聴いてきたつもりだったけど、どっこい思い出がありすぎた。昔いつもフェスに一緒に行っていた友達のことを思い出して会いたくなったりした。

くるりがずっと続いてくれていることにあらためて感謝した。たくさんの景色を見せてくれて、本当にありがとう。MCで岸田が「いつまで続けるのかわからないけど...何十年とか、何百年とか、また祝えたらいいなって思う」というようなことを言ってくれたのがうれしかった。

実際、くるりって不思議なバンドだと思う。こんなにメンバーがいろいろ変わるし、作風もいろいろ変わるし。結局のところ岸田が全然ブレてないんだろう。それってすごいことだよ。

 

くるりで一番好きな曲は何か?って問いにはわたしはやっぱりばらの花って答えると思う。何なら、もしかして今まで聴いてきた音楽の中で一番好きかもしれない。

それはなぜかというと、いつ何時聴いても心に染み入るから。ふつうは、テンションや気分によって聴く音楽を選んだりするのだけど、ばらの花は、気分が落ち込んでいるときも、楽しい時も、晴れている日も雨の日も、暑い日も寒い日も、電車の中でも、部屋の中でも、朝でも昼でも夜でも。どんなときでも聴きたいな、と思える。いつでも不思議と心になじんで優しい気持ちになる。若い頃から今もずっと何百回も聴いたと思う。そしてこれから年をとっても聴き続けるんだと思う。そんな曲はほかにない。